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魯迅（ろじん）

小説家　翻訳家　思想家　詩人　能書家

生没： 1881年 - 1936年

魯迅（鲁迅、ろじん）は、中国の小説家、翻訳家、思想家、詩人である。本名は周樹人で、字は豫才。幼名を周樟寿といった。浙江省紹興市の士大夫の家系に生まれた。父は周鳳儀、母は魯瑞、弟に文学者・日本文化研究者の周作人 、生物学者の周建人がいる。中国近代文学の元祖。毛沢東によって「中国の第一等の聖人」と評され、革命の聖人として今なお人気が高い。

地主の家に生まれたが、父の病死など不幸が相次ぎ、幼少から辛酸を味わった。
1898年南京に赴き、江南水師学堂や陸師学堂付設の鉱務鉄路学堂に学び、西欧近代思想にふれた。

卒業後、1902年には国費留学生として日本へ派遣され、東京の弘文学院に学ぶ。
2年後には仙台医学専門学校に初めての中国人留学生として入学する。当時教授に就いて間もない解剖学の藤野厳九郎は魯迅の講義ノートを添削するなど丁寧に指導をした。魯迅は藤野との別れの際に交わした写真をずっと大切に飾っていたと著書に記している。
講義で目にした日露戦争での場面を契機に医学との別離し、文学による国民精神の改造を志す。
東京へ戻ると雑誌『河南』に「科学史教篇」を発表。弟の周作人と共訳した『域外小説集』江尾出版するなど出版活動に励む。

1909年帰国。革命が起きると魯迅の署名で『狂人日記』『故郷』『阿Q正伝』を発表。中国近代文学の基礎を築いた。最も優れた小説は、第1集の『吶喊』と第2集の『彷徨』に含まれている。
辛亥革命、第二革命、帝政運動、五四運動など動乱の中国改革運動を体験しながら、多くの小説や雑文などを精力的に発表。文学による啓蒙活動を進めた魯迅は多くの作品を残す。
1927年以降に生活の拠点としていた上海では、近代的市民社会が形成されつつあり、ハリウッド映画なども見ることができた。幼年期から美術に深い関心を寄せてきた魯迅は、日本や欧米の美術書を入手できるようになると、外国美術に関する翻訳、復刻、評論活動にも力をいれた。

魯迅は優れた詩人でもあった。郭沫若は「魯迅は無の心でふと詩を作り、それらは全てこの上なく優れた詩歌であった」と評価している。
魯迅は中国の民族解放と文化革命の師表と仰がれ、現在でも尊敬を集めています。日本で保管された魯迅の書や詩は評価が高く、中国で高額取引されています。

1936年、結核のため死去。上海市虹口公園内に埋葬されている。