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田能村 竹田（たのむら ちくでん）

文人画家 南画家

生没： 1777年-1835年

江戸時代後期の文人、南画家。九州における南画の先駆者であり、大分画壇にも大きな影響を与えた。門下に高橋草坪、帆足杏雨、田能村直入などがいる。

名は孝憲。字は君彜（くんい）。通称行蔵。竹田は号で、別号に九畳仙史・竹田老圃・竹田邨民・秋心・随縁居士・九峯無戒衲子・紅荳詞人・田舎児・藍水狂客・三我主人・西野小隠・秋声館主人など。
斎号には竹田荘・補拙廬・雪月書堂・対翠書楼など多数ある。

画風は南画様式に忠実で品格く、繊細で味わい深い。写実を基本としながら文人画の要素である写意をまじえ、独自の表現に到達した。
山水図・人物図・花鳥図とともに能くする。小品にも優品が多い。
竹田の作品は出光美術館が多数所蔵しており、故郷の大分市美術館では重要文化財に指定された作品を多く観ることができる。

竹田の生い立ち

田能村竹田は豊後国岡藩竹田村（現竹田市）に生まれた。幼名は磯吉、のち玄乗、行蔵と改名。父は藩侍医田能村碩庵であった。11才で藩校由学館に入学し、軽学文章を専攻。師の唐橋君山が詩の才能を認め、高本紫溟や村瀬栲亭にも支持した。

医業は継がず、幕命により『豊後国志』の編纂に参画する。この時約３年の調査期間があり、江戸に１年滞在する。江戸では谷文晁を訪ね絵を学ぶ。大阪の木村蒹葭堂を訪ねるなど広く交流をもった。頼山陽、篠崎小竹、浦上春琴、岡田半江、小石元瑞など京坂の中心的な文人墨客たちと交遊し、南画家浦上玉堂、岡田米山人、青木木米からも影響をうける。

辞職すると、京坂を中心とする文人たちとの交流を重ねる一方、詩書画を中心とする生活を送る。長崎では来舶清人や長崎派の画家から中国絵画の技法を学び、次第に次第に南宗画へと傾斜していった。

著書に『山中人饒舌』『竹田荘師友画録』があり、どちらも広く読まれた。