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葛飾 北斎（かつしか ほくさい）

絵師 浮世絵師

生没： 1760年～1849年

江戸時代後期の浮世絵師。江戸本所割下水（現・東京都墨田区）に生まれる。幼い頃に幕府御用鏡磨師中島伊勢の養子となり、中島姓を名乗る。幼名を時太郎（ときたろう）といい、10歳ごろに鉄蔵（てつぞう）と改めた。

彫師について木版彫刻を学び、のちに一世を風靡していた勝川春章の門をたたき、本格的に絵の修行を始める。当時与えられた名が勝川春朗（しゅんろう）であった。

役者絵や相撲絵などを描き、春章が歿すると狩野融川から狩野派を学ぶ。漢画、土佐派も学び、俵屋宗理の名跡を継いで琳派を修め、二代目を名乗る。さらに洋風画、銅版画の技法を取り入れ、中国画を研究するなどし、一大家風を形成するに至る。最高傑作と言われる『富士越しの龍』は、89歳で描いた作品である。生涯に渡り貪欲なほどに絵画研究に没頭した北斎が「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」といったのは余命いくばくかの時であった。

北斎は奇行に富んだ人物で、居を93回引越し、号を30数回改めた。その中で代表的な号が「北斎」である。「葛飾」は出生地である武蔵国葛飾郡から名乗ったといわれる。

画業において画域はひろく、風景画・花鳥画・歴史画・戯画・美人画にとどまらず森羅万象を描き、版画・肉筆・摺物に優品を遺している。

1998年、アメリカの有名なジャーナル誌『ＬＩＦＥ』が発表した「この１０００年で最も重要な功績を残した世界の人物１００人」の中で日本人でただ一人選ばれた。没後約160年を経ても高い評価を得ており、世界的に偉大な芸術家として広く注目されている。

【雅号】
主に、春朗・宗理・北斎・戴斗・為一・卍。その他に、画狂人・群馬亭・可侯・辰斎・辰政（ときまさ）・百琳・雷斗・戴斗・不染居・錦袋舎・九々蜃・雷辰・画狂老人・天狗堂熱鉄・鏡裏庵梅年・月痴老人・是和斎・三浦屋八右衛門・百姓八右衛門・土持仁三郎・魚仏・穿山甲。