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山口華楊

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山口 華楊の代表的な作品
「黒豹」「日向」「青柿」

作家情報

山口 華楊(やまぐち かよう)

日本画家 文化勲章 文化功労者

生没: 1899年~1984年

写生中心の画風で、動物画を得意とした日本画家。

師西村五雲や竹内栖鳳から継承した円山・四条派の伝統を根底にもつ。近代西洋画や革新的な日本画の知識を取り入れ、新しい時代の花鳥画をつくりだした。

特に俯瞰的な構図で描かれた動物画は、美術界でも非常に評価が高い。色鮮やかに生き生きと描かれた絵画は、今なお多くの人を魅了してやまない。

 

【華楊の人生】

京都で友禅染の優秀な職人であった山口安之助・なを夫妻の二男として生まれる。格致尋常小学校(現・京都市立洛央小学校)を卒業すると、写生派の始祖であり応挙の流れをくむ西村五雲に入門した。

15歳で京都美術協会展に「山桃に猫」「家鴨」を出品し、「華楊」と号した。病弱であった師・五雲のすすめにより絵専に入学すると、同年第10回文展に初入選する。若干17歳で入選し早熟の才能をしめす。以後、帝展など、官展系展覧会で活躍する。

 

【画業と功績】

1954年55歳のころ、第10回日展に代表作となる「黒豹」を出品する。思い切った構図、色彩の対比、フォルムの美しさ。豹の肉体からみなぎる生気は、黄金色の背景によってさらに輝きを増している。

画業の根本は一貫して写生に基づいている。遺された多くの写生には、動物や自然に謙虚に向き合い続けた大家の姿があった。華楊は著書の中で、こう述べている。

 

“「画家としての私を動かすのは、生きているもののみが持つ生命感、生命の美である。技巧で描くのではなく、生命あるものにあふれた喜びを、率直に描きたいと心がけてきた。ただそれだけであった」出典 山口華楊著『絵がかきたうて』”

 

画家として活躍する一方で、後進の育成に努めた。母校の絵専、その後身の京都市立美術専門学校で長く教鞭をとり、さらに西村五雲急逝後は研究団体晨鳥社を新たに結成した。

山口 華楊 略歴

1899(明治32)京都府京都市中京区油小路錦に生まれる
1912(明治45/大正元)西村五雲に入門する
1916(大正5)17歳、京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)に入学
1916(大正5)第10回文展で「日午(にちご)」が初入選
1927(昭和2)翌年と2年連続で帝展特選を受賞
1938(昭和13)39歳、五雲急逝により画塾晨鳥社を主宰する
1942(昭和17)43歳、京都市立絵画専門学校の教授に就く
1956(昭和31)日本芸術院賞受賞
1958(昭和33)日展評議員
1969(昭和44)日展理事
1971(昭和46)京都市文化功労者、日本芸術院会員
1973(昭和48)勲三等瑞宝章受章
1975(昭和50)日展顧問に就く
1980(昭和55)文化功労者
1981(昭和56)文化勲章受章
1982(昭和57)フランス・パリのチェルヌスキ美術館に於いてパリ市主催による「動物画家・山口華楊展」を開催
1984(昭和59)3月16日、京都市にて死去

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